Columnコラム
2025.03.31
業態開発が描く、
Foodex Groupのこれから
日常の中に笑いを生み、人と人とのふれ合いの場をつくる。 そんな想いを軸に、多様なブランド・業態で店舗展開を続けるFoodex Group。2025年5月には、かぶら屋江坂店のオープンも予定されており、さらなるフィールドへとその歩みを広げている。
今回は、業態開発という立場から複数ブランドの新規出店を統括する田渕さんに、出店プロセスのリアル、そしてFoodex Groupがこれから果たしていく役割について話を聞いた。

田渕 知哉
現在、社長付業態開発部長として、新規業態の開発を手掛ける。設計から施工管理、店舗オペレーション設計、商品開発、システム設計まで幅広く担当。
2009年からFoodex Groupに参画。東日本大震災の混乱時に自らIllustratorで平面図を描いたことをきっかけに、店舗設計のスキルを習得。
以来、新規出店の計画・管理を一貫して担い、事業の成長を支えている。
—–ご自身の役割と業務内容を教えてください。
現在は、本部の役員として新規出店の統括や業態開発を担当しています。具体的には、物件の契約から、設計・施工、開業準備、スタッフ教育まで、出店に関わる一連のプロセスを一貫して見ていく立場です。
その傍らで実際にお店に立ってお客様と接する時間も定期的にとっていて、現場と本部のどちらかに偏らない視点を持つことを意識しています。
—–本部として出店戦略を進める上で大切にしていることは何ですか。
最も大切にしているのは、「判断のスピード」と「お客様視点での意思決定」です。
出店は”タイミングがすべて”と言っても過言ではなく、良い物件との出会いを活かすためにも判断の早さはとても重要です。そのためには、常に情報をアップデートし、迷わない基準を持っておくことが重要だと思っています。
その重要な基準の1つが、“長期的に見てお客様にとって価値があるか”という視点です。
短期的には正解に見える選択でも、それが本当に地域に根づき、愛される店舗づくりにつながるかどうか。その見極めが、出店判断における本当の難しさであり、やりがいでもあると感じています。
—–ご自身の中での仕事に対する想いやこだわりを教えてください。
私が常に意識しているのは、“人と一緒に創る”という姿勢です。物件があって設計図が完成していても、それだけではお店は絶対に完成しません。
デザイナーや施工業者、そして実際に現場で手を動かす職人さんたちなど、多くの人が関わりながらひとつの空間が形になっていきます。だからこそ、現場に自ら足を運び、細かいニュアンスまで共有し合いながら、一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取ることを大切にしています。
—–直近の取り組みを教えてください。
直近では、2025年5月頃にオープンを予定している「かぶら屋江坂店」の新規出店に携わっています。関西エリアでの出店は、関東に比べてまだ経験値が浅く、業者様の選定や工事の進行においても新たなチャレンジの連続でした。
その中で印象に残っているのは、社長・会長も現地に入り、当初の想定よりも大きなコストをかけてインフラを整備し直す判断を下したことです。
これは目先の損得だけでなく、「本当にお客様に満足していただける店舗になるのか?」という視点を最優先に考えた結果でした。改めてかぶら屋が持つ強みや、貫くべき姿勢を再確認する機会になりました。
—–今後の目標や叶えたいことはありますか。

私たちがこれからも目指していきたいのは、「料理+αの価値」を届けることです。
おいしい料理を提供するだけでなく、空間の居心地やサービスの温かさ、スタッフとの何気ないやり取りといった、小さな体験の積み重ねに価値があると考えています。
これはFoodex Groupに通じる1つの想いであり、そんな想いを日本だけでなく世界に広げていくこと。これが会社の業態開発に関わる身としての使命でもあると思います。
一人ではできないことを、誰かと一緒に形にしていく。その過程で得られる達成感や、チームでつくりあげる喜びは、きっと働く人にとっても大きな価値になるはずです。
同じ志を持つ仲間とともに、飲食というフィールドを通じて、温かさのある街、そして世界を少しずつでも増やしていけたら嬉しいですね。