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Columnコラム

違いを超えて届ける、
グローバルラーメン戦略の現在地

国境や文化を越えて、世界中に人々の“おいしい”を生み出す。Foodex Groupでは、海外でのブランド展開にも力を入れて歩みを進めてきた。その中で宍戸さんは、アメリカのニューヨークやブルックリンをはじめとする、屯ちんブランドの多くの海外出店に尽力してきた中心人物の一人である。

現在は海外拠点の立ち上げや運営、品質管理に至るまで幅広く携わっている宍戸さん。現地との文化的な違いをどう乗り越え、どのように屯ちんのラーメンを届けているのか、その裏側を聞いた。

宍戸貴雄

屯ちんホスピタリティ代表として、アメリカを中心とした海外出店を全般的に統括。店舗の立ち上げからオペレーション設計、品質管理、食材の調達ルート整備や現地スタッフの教育まで幅広く担当している。

現地の環境や文化の違いに柔軟に対応し、「どの国でも本物の味を届ける」ために尽力し、数値化されたマニュアルの構築や食材調達の仕組みづくりなど、グローバル標準を自ら模索し続けている。

—–ご自身の役割と業務内容を教えてください。

海外での店舗立ち上げをはじめ、食材調達から品質管理、スタッフ教育、オペレーション設計まで、店舗運営に関わるさまざまな業務を担当しています。

今はニューヨークのマンハッタンとブルックリンの店舗を中心に数値管理や品質管理を行いつつ、フランチャイズでの拡大も視野に入れた、営業活動にも力を入れています。

—–海外展開において、特に大切にしていることは何ですか?

ブルックリン
ニューヨーク

現地スタッフは、国籍も文化も言語も異なるため、感覚ではなく誰もが共通理解できるように、数値やロジックに基づいたマニュアル設計と指導を重視しています。こうした伝え方は、以前の異業種で培った経験が大いに活きていると感じますね。「何が正しいか」ではなく、「相手がどう受け取るか」がすごく大事なので、コミュニケーションに時間をかけ、相手の背景を理解することを意識しています。

また、環境や状況が毎回違うので、臨機応変に対応するマインドセットが重要です。環境は変えられないからこそ、その中で「どうやって理想に近づけるか」を常に考えています。

—–直近では、どのような取り組みを進めていますか?

2025年6月にはメキシコシティでの新規出店を予定しており、現在はその準備を進めています。標高2,200メートルを超える土地柄、沸点が日本とは異なり、ラーメンづくりにおいてもさまざまな調整が必要になってきます。

そこで、茹で時間や火加減などを見直し、環境に合わせたマニュアルを一から作り直しました。粉の配合や調理器具の選定も含め、現地スタッフが同じ品質で提供できるように、数値で再現できる設計にこだわっています。

このような環境的なハードルをどう乗り越えるかも、グローバル展開の醍醐味のひとつ。臨機応変に対応し、「屯ちん」の味の軸は決してぶらさないことが私たちのこだわりです。

—–今後の目標や叶えたいことはありますか。

現在は2030年までに国内外で50店舗の展開を目指して動いています。アメリカではフランチャイズ展開の準備も進めており、今回のメキシコ出店もその大切な一歩です。世界各地でラーメンを食べて「おいしい!」と喜んでくれている姿を見ると、本当にやりがいを感じます。

私たちが挑戦できるフィールドは年々広がっています。大切なのは、どんな国や環境でも「本物の味」を届けること。そして、そこに関わる全ての人たちと、ワクワクしながら挑戦を楽しんでいきたいです。