Columnコラム
2025.03.31
世代を超え繋ぐもの
かぶら屋での経験を通じて独立を果たし、現在は複数店舗の経営と人材育成に力を注ぐ宋さん。豊富な経験値を行動力で、独立後もブランドの成長に貢献し続けている人物の一人である。
今では次世代の挑戦を支える存在となった宋さんご自身の歩みと、かぶら屋に込める想いをご紹介。
人生を変えた出会い
かぶら屋との出会いは、今から17〜18年前に遡ります。
もともと実家が飲食店を営んでいたこともあり、自然と飲食業界に興味を持ち、実家を継ぐために修行ができる場所を探していました。
そして、かぶら屋池袋1号店の前をたまたま通りかかった時に「独立可能」という文字が目に留まり、ここでなら多くの経験が詰めるだろうと感じたのが入社を決めたきっかけでした。

1年ほどで店長までキャリアを積んでいき、その約半年後には五反田店で独立を達成。この時に実家を継ぐのではなくかぶら屋を続けていくことを決心します。本部からのバックアップも手厚く、かぶら屋のノウハウをしっかりお店でも体現できたので、経営も好調でした。
そんな状況も束の間、蒲田店の当時の店長が運営できない状況になってしまったため、蒲田店も同時に手伝うことになります。ただ、最初は五反田店のようにうまくはいきませんでした。
立地面の問題もあってお客様が想定より入らず、バディをたくさん採用していたのにシフトに入れてあげられないこともありました。他にも苦労したことは多かったですが、蒲田店は1年近くをかけてなんとか軌道に乗っていきました。
その頃から少しずつ、五反田店で働いてくれている社員さんを独立させてあげたいという想いが芽生えはじめます。
それから数年の時を経て、雑色店でそのチャンスが巡ってきます。立ち上げまでの手伝いという形で関わりつつ、その後はお店の運営を任せる形で社員さんの独立も成功させることができたのです。

それから与野店、鴨居店、糀谷店、川越店、町田2号店と、次々と新しい店舗の運営や立ち上げに関わってきましたが、いずれも次の世代がメインで、私は立ち上げから運営が安定するまでの間の手伝いをするという形で関わってきました。
今は教育面により力を入れています。最近は外国人の採用も増えてきているので、外国人が日本で仕事をしやすい環境づくりを目指してマニュアルの整備やサポートを行っています。
言語の問題はもちろんのこと、文化や制度の違いからも一筋縄ではいかないことが多く、非常に苦労もしていますが、実際糀谷店では外国人の方が店長に就いていて、結果がでた時の達成感もとても大きいです。
働く人に希望を託せる場所

経営において私が最も大切にしているのは、「働く人たちが夢や目標を描ける環境であること」です。
私のように、いつか独立して自分の店を持ちたいと考える社員に、その道筋を示し、背中を押せる存在でありたいと常に考えています。
今では、私のもとで育った社員が独立し、さらにその社員が別のメンバーを育て、いわば“孫の世代”が新たに独立を果たすようになりました。直接の関わりは少なくても、自分の想いが世代を超えて広がっていることに、大きなやりがいを感じています。
夢の実現に向けて
今後はさらに店舗数を増やしていきたいと考えていて、コロナの影響もありましたが、現状のペースではまだまだ遅いと個人的には感じています。また、業態の違いがあったり、日々の営業で関わることが薄かったりと原因はさまざまですが、加盟店同士の横のつながりが薄いのも1つの課題です。
店舗間での情報交換やサポート関係が強化できれば、もっともっとブランドとしても成長できると思っています。独立した身ではありますが、私を成長させてくれたブランドへの貢献の意味もこめて、改善に向けて力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
現状に満足することなく、「働く人のためにできること」を常に考え、これからもより良い店舗運営と人材育成を目指していきます。