Columnコラム
2024.05.27
人と人とが繋がる場所
東海道新幹線と東海道本線が交差する交通の要所である静岡駅。多くの商業施設や飲食店が立ち並ぶほか、歴史や文化の中心地としても重要な場所である。
この地でかぶら屋静岡御幸町店は、多くの常連様に愛されながら、約15年成長を続けてきた。オープンからお店を指揮する望月さんは、さまざまな苦悩を乗り越えながらも更なる成長に向けて歩みを進めている。
そんな望月さんの考えるお客様との接し方、今後の展望とは何か。
常連様とともに
かぶら屋静岡御幸町店は、静岡駅から徒歩圏内に位置し、気軽に飲食を楽しめる居心地の良さが魅力です。平日はリピーターが約9割を占め、サラリーマンに加え、若い世代や女性同士のお客様も増えています。
リピーターのお客様が多いことから、お客様と一緒にお店を作っているという感覚が強いです。満席時に注文が殺到してしまった時は、お客様が自然とこちらの忙しさを汲み取って焼き物の注文を止めてくれたりと、お客様に助けられることもあります。
ただ、新規のお客様が入りづらい雰囲気にはしてはいけません。そこで、一見さんだと気づいた時には、私が直接そのお客様の席にいって料理の説明をするようにしています。そうすると、周りのお客様がおすすめの料理を教えてくれたりと自然と会話が広がっていき、お店の雰囲気も良くなっていくのです。
飲食業界への挑戦と成長
私がかぶら屋に関わって約15年が経ちますが、ここまでたくさんの困難がありました。そもそも飲食未経験からのスタートで、立ち上げ直後はお客様からお叱りを受けることも少なくありませんでした。
しかし、前職の営業経験を活かしながら、関わる人全員でお店づくりをしていきました。前段でお客様と一緒にお店を作ると話しましたが、社員やバディだけでなくお客様も味方につけることは非常に大切だと感じています。
実際、理不尽なクレームを受けたときに、他のお客様が助け舟を出してくれることもありました。当時から変わらず来てくれるお客様や、この店舗で10年以上働いていくれている社員さんもいて、本当にありがたい限りです。
そうして立ち上げから約2年経った頃には一通りの仕事も問題なくこなせるようになり、次第に視野も広く持てるようになりました。
お客様への細やかな配慮
お客様と接する上では、「配慮」がすごく大切だと感じています。例えば、お一人で来られたお客様はグループで来られたお客様に比べて、同じ待ち時間でも長く感じてしまうことがあります。
そこで、提供に時間がかかってしまいそうな時は、グループのお客様に一声かけてから提供順番を変更するなど、できるだけ全員が快適に飲食を楽しんでいただけるよう工夫をしています。
この動きをお店として徹底するためのポイントは2つ。視野の広さと、バディとの連携です。
円滑にお店を回していくためにも、バディがどこでつまづいているか察知し、その場で解決してあげることが大切です。そのため、営業中はお客様だけなく、バディの動きも見るようにしています。
そして、バディに何か教える時は、その行動の意味まで説明し、最終的にお客様のためになるという部分をしっかり伝えます。
ただ、一番大切なのは、仕事自体を楽しんでもらうことです。お客様からの「おいしかったよ」「またくるね」などの言葉をいただけることは、何よりも大きなやりがいになります。そうした機会をバディそれぞれが実感し、仕事を楽しんでもらえる環境づくりに努めています。
新店舗への挑戦
今後の目標は、同じ静岡に3店舗目のお店を出すことで、そのためには人材育成が必要不可欠です。
今はマネージャーとしてのポジションもあり、現場にいる時間は少なくなっていますが、限られた時間の中でバトンを渡せる人材を育てていくことが私の役割だと感じています。
「ここで働いていてよかった」と思ってもらえるような環境を作り、一緒に働く人たちが成長できる場所を提供すること。これまで愛してくれたお客様に変わらず愛される場所であり続けること。
まずはこの土台をしっかり固め、より多くのお客様、次の店舗の手本となるべく、静岡御幸町店の挑戦は続きます。今後も、お客様との関係を大切にし、関わる全ての人に愛されるお店を目指して頑張っていきます。