Columnコラム
2023.04.18
スープと教育はじっくり寄り添う。
繁華街ならではの幅広い客層
屯ちん池袋西口店は子どもからお年寄りまで、繁華街ならではの客層の広さに加え、24時間営業というのが大きな特徴です。ふらっと立ち寄れる手軽さで、多くの人に愛されながら日々営業を続けています。
池袋西口店としての色
池袋西口店は連日多くのお客様で賑わっており、曜日や時間帯によっていろいろな層のお客様が訪れます。休日はお子様連れのファミリー層、平日はサラリーマンや学生さんといったお客様が多く、ランチ、ディナータイム以外も混雑することがあります。
また、24時間営業ということから、朝まで仕事をしてきた方や、朝まで飲み会をしていた方が帰宅前にふらっと利用するというケースも少なくありません。
そのほか、朝ラーメン、略して「朝ラー」という言葉があるように、出勤前の方がラーメンを召し上がっていくケースも度々見受けられ、こうした幅広い利用方法がみられるのが池袋西口店の大きな特徴です。
池袋には池袋本店もありますが、池袋西口店にしかない特徴が大きく2つあります。1つがカウンター席だけでなく、テーブル席が用意してあることです。池袋本店に限らず、ラーメン屋の多くは今でもカウンター席が主流です。池袋西口店ではカウンター席だけでなく、テーブル席を用意したことで、主にファミリー層のお客様の入店の障壁を取り除くことができたと感じています。
2つ目がサイドメニューの充実です。池袋本店ではメインとも言えるラーメンやつけ麺に特化している一方で、池袋西口店では唐揚げ、餃子、炒飯などのサイドメニューを用意しています。これを目当てにわざわざ本店ではなく、池袋西口店を選んできてくれるお客様もいらっしゃり、池袋本店との差別化をうまく計れていると感じています。
「おいしい」と感じてもらえる一杯を提供する
こうした小さな違いはありますが、池袋西口店もラーメン屋「屯ちん」として、ラーメンの味にはもちろん人一倍こだわりを持って取り組んでいます。
麺からスープ、トッピングまで全て、食材の管理を徹底し、それらをデータ化することで店舗ごとの状態を毎日チェックしています。麺の状態は日々変化しているので、その都度秒単位でゆで時間を調整し、検食も毎日実施するなど、仕込み1つをとっても決して手は抜きません。全てはお客様に「おいしい」と感じてもらえる一杯を提供するためです。24時間営業のため、仕込みに100%の時間を割くことはできないですが、これまで一度も妥協することなくやり続けています。コロナ禍では多少のフードロスが出てしまったことが反省点ですが、お客様が減ってしまったその時期でもやり続けた大切な自分たちの「こだわり」の1つです。
ラーメン屋ということもあり、なかなか長時間お客様と関わることは少ないですが、料理を作った反応がすぐに見れるというのはラーメン屋ならではのメリットだと思います。
おいしいと声を出してくれた時はもちろんのこと、幸せそうな表情でお客様が召し上がっている様子を見た時にこの仕事のやりがいを感じます。
教育において大切にしていること
池袋西口店では接客に関してのマニュアルを明確に設定していません。例えば、「接客は笑顔でやる」と単純に教えたとしても、すぐにできる人と、そうじゃない人がいるかと思います。それと同じで、同じ教え方では仕事自体もなかなか覚えてもらえないことを理解しました。
このことを理解するまでは、強い口調で言いつけてしまうことや、詰め込みすぎてしまうことが度々ありました。しかし、foodex groupで働いてきた経験、先輩や上司に教えてもらったことを思い出し、このままではダメだと気付かされました。
そこからは、新しく入ってきた人に対してはマンツーマンでついてあげるようにしています。マンツーマンで教えているといってもオープンキッチンで全てが丸見えなので、あからさまに教えているという雰囲気は出さないようにするということも同時に意識しています。
入って4回目の出勤日までにおおよその仕事を覚えてもらい、5回目の出勤日からはひとりで立ってもらうという形です。
教える際も詰め込むように一方的に伝えるのではなく、寄り添いながらじっくり時間をかけて教えていくことを意識しています。こうした点を意識してから、覚えるまでのスピードが結果的に早くなったことに加え、継続して働いてくれる人も多くなったと実感しています。ブランドとしても大切にしている「人」の存在を強く理解したと同時に、これからは店長として自分がしっかりこの想いを伝えて行かなければならないと自覚しました。
未来に向けて
屯ちんとしても個人としても次の店舗を早く出すことが今後の目標です。コロナ禍では営業時間が制限され、なかなかお客様も入らず苦しい日々が続きました。そんな中でもこだわりを持ってやり続けた結果、予想より早くコロナ前の状態に戻ることができ、今ではそれ以上の売上を出す月も少なくありません。
新しい店舗を作るには新しい店長、新しいスタッフさんが必要であり、そのためにはしっかりとした人材教育が必要です。いくらおいしいラーメンが作れるノウハウがあっても、それを再現するのも、お客様に提供するのも「人」です。こうした人材育成に対してのこだわりを忘れることなく、次の店長、副店長候補を自分たちのお店から生み出せるよう日々の営業から頑張っていきたいです。